一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされている。法令上の定義はないものの「子ども家庭庁」の「ヤングケアラーについて」というサイトには「ヤングケアラーがしていること」として、食事の準備や掃除や洗濯といった家事、見守り、きょうだいの世話、感情面のサポートなどが挙げられている。
・障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
・日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている
・家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている
・がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている
こども家庭庁 ヤングケアラーについて
https://www.cfa.go.jp/policies/young-carer/
令和2年度に中学2年生・高校2年生を、令和3年度に小学6年生・大学3年生を、それぞれ対象にした厚生労働省の調査では、世話をしている家族が「いる」と回答したのは小学6年生で6.5%、中学2年生で5.7%、高校2年生で4.1%、大学3年生で6.2%であった。これは、回答した中学2年生の17人に1人が世話をしている家族が「いる」と回答したことになる。
出典)文部科学省「ヤングケアラーに関する調査研究について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/mext_01458.html
自分の時間が取れない、勉強する時間が充分に取れない、ケアについて話せる人がいなくて孤独を感じる、ストレスを感じる、友人と遊ぶことができない、睡眠が充分に取れない、などが挙げられる。こどもや若者が担うケアの負担は大きい。
一方で、家事や家族の世話などを若い頃に担った経験をその後の人生で活かすことができている、と話す元ヤングケアラーがいることもまた事実である。
こども家庭庁 こどもがこどもでいられる街に
https://www.mhlw.go.jp/young-carer/
スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、キャンパスカウンセラーなどを含めた校内支援会議の場で、状況を把握してもらえる。幼稚園や保育所、小・中学校などの前に所属していた校園や、兄弟の所属する校園との連携によってさらに支援してもらうこともできる。児童福祉関係機関と連携する場合もある。そこから、児童ケースワーカー等が家庭に必要な関係機関(高齢、障害、保健など各関係機関)との支援の調整を行ってくれる。
心理的な支援だけでなく、家庭支援や環境調整をしてもらうこともできる。関係機関との連携をしてもらうときには、個人情報に配慮してもらおう。
・なぜ、ヤングケアラーが生まれるのだろう。
・ヤングケアラーについて多くの人に知ってもらうためにはどうすれば良いだろう。
・ヤングケアラーを支援する役割を担う人たちが、注意すべきことはなんだろう。
あなたへの問い
ヤングケアラーの背景にはどのような課題があるか考えてみよう。
ヤングケアラーを助けるためにはどうすれば良いか、アイデアを挙げてみよう。
https://education.ownerjapan.co.jp/article/education/0006a-2/