健康診断には様々な種類がある。学校で受ける学校健康診断や会社に所属している人が受ける定期健康診断、がん検診など特定の病気になっていないかを調べる健康診断などである。実際にどのように種類分けされているかを見てみよう。以下が代表的な健康診断の種類となっている。
一般健康診断は企業に勤めるすべての労働者が対象となるもので、実施することが企業に義務づけられている。定期健診の他に特定の人に対して行うそれぞれの健診がある。
特殊健康診断は法で定められた有害業務に従事する従業員に対して行うものである。有害な物質が身近にあるような仕事を行う者の安全性を確保するために実施されている。
これは法律によって定めれれていないが有害であると判断された業務をする者に対して行政が推奨する健康診断である。例えば、騒音の中の業務や腰に大きな負担をかける業務をする従業員などに対して行われる。自治体によっても内容は異なる。
胃がん、乳がん、子宮がんなどを早期発見するための検診である。これは、任意で行われることが多い。
このほかにも、未就学児や妊婦が行う健診、年齢によっても様々な健康診断が日本にはある。
日本では「がん対策推進基本計画」に基づき受診率50%を目標に掲げている。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、受診率は年々増加してるものの、2019年時点で5つのがん検診の中で50%を超えているのは男性の肺がんと50~69歳の男性の胃がんのみという結果であった。
参考文献:
がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)
国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/screening/screening.html
日本は一回の健診で10以上の検査を行う。これに対し、アメリカやイギリスでは検査は5つも無いほど少ない。なぜ、日本はこんなにも検査量が多いのか。そして、こんなにも検査は必要なのだろうか。
健康診断は病気を発見するためというより、病気の可能性がある人間とそうでない人間を振り分けるためのものであるという。このため、ある病気にかかっている可能性が著しく低い人間はその病気の健診は必要ないのではないか、と考えられる。また、健康診断が始まってから何十年も経っている今、検査方法を変えた方がいいものもあるのではないか。検査の内容を見直す必要があると考える人もいる。
学校では小学校、中学校、高校と毎年健康診断が行われている。また、座高検査や寄生虫卵検査など、撤廃された診断や運動器検査のような新たに付け加えられた検査があり、検診時の服装についても配慮するようにという声も上がっている。
このように、学校、特に小中学校での健康診断は決まりが曖昧であったり、減らされたり増えたりする検査もあったりとまだまだ発展途上である。身近な学校健康診断、それぞれの検査がなぜ必要なのか、どこに有効なのかを考えてみよう。
・記事で挙げられた健康診断の他にはどんなものがあり、何のために行われているのだろうか
・がん検診の受診率を上げるにはどうすればいいだろうか
・各年代、性別に有効な健康診断の内容を考えてみよう
・健康診断の変遷をたどってみよう
あなたへの問い
・日本の検査はなぜたくさんあるのでしょうか
・必要ないと思う検査、あったほうがいい検査はなんだと思いますか
・自分が大人になったとき、健診を積極的に受けたいと思いますか
GATEWAY – 自己発見と探究の入り口 – (ownerjapan.co.jp)
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◆参考文献
・厚生労働省 国民生活基礎調査
02 19結果の概要(3健康0525) (mhlw.go.jp)
・公益財団法人 日本学校保健会「学校保健」