探究学習 おすすめテーマ「身近な食」

探究学習 おすすめテーマ「身近な食」

◆「身近な食」の現状を知る

私たちは普段、食事をして生活をしています。食事をとらなければ生きていくことはできませんし、食べるものによって太ったり、やせたりなど私たちの身体にも大きな影響を及ぼします。それほど、私たちにとって「食生活」とは重要なものなのです。そんな日々の「食生活」の中で疑問に思うことはないでしょうか。

農林水産省が2018年度版の食育白書をもとにまとめた「数字で見る日本の『食』」というWEBサイトでは、「食」や「健康」に関する興味深いデータがまとめられています。

・「主食・主菜・副菜」を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べる人は約6割

・日本とアメリカで野菜をよく食べているのはアメリカ

・日本の「食品ロス」事情

参考文献 農林水産省「数字で見る日本の『食』」

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/30hakusyo_info/index.html

◆「身近な食」について視野を広げて考える

1.「食生活」に関する疑問

私たちは基本的に朝・昼・晩と一日に三回食事をとります。しかし、朝は食欲がない、ダイエットをしているなどの理由で一日二食の人もいるかもしれません。一般的に一日三食が健康的、三食食べなければ逆に太るなどと言われていますが、本当にそうなのでしょうか。食欲がわかなくても朝ごはんを食べた方が良いのでしょうか。

厚生労働省の調査「国民健康・栄養調査報告」によると、朝食を欠食した割合は、20代男性27.9%、30代男性で27.1%。20代女性で18.1%、30代女性で22.4%となっている。1人世帯に限るとこの数字よりも高い傾向にあります。

・令和元年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)

朝食の欠食率については 第10表以降に掲載

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html

「なぜ野菜を食べなければいけないの?」

 ビタミンや食物繊維が多く含まれる野菜。厚生労働省は成人の1日の野菜摂取量の目安を「350g以上」と定めていますが、前述の「国民健康・栄養調査報告」を見ても、日本人の平均はその数字には届いていません。1日に350gの野菜を摂取するためにはどのような献立が必要なのでしょうか。また、みなさんの中にも野菜嫌いの人がたくさんいると思います。どのようにすれば「野菜不足」を克服できるのでしょうか?

厚生労働省「健康日本21」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html

「どうして肉は生で食べてはいけないの?」

私たちは普段肉を生で食べることはありません。生で食べれば、食中毒などになる可能性があるからです。しかし、ステーキのレアや肉寿司、鶏刺しなど生肉を用いた料理もあります。どうして、これらの料理は生で食べることができるのでしょうか。そもそも、生肉はどうして食中毒を起こしやすいのでしょうか。

2.「食文化」に関する疑問

私たちは、住む地域の「食文化」に従って生活しています。他の国はもちろん、日本でも地域によって食文化は大きく異なります。食文化はその地域の特性を象徴するものであり、食文化を通じてその地域への理解を深めることができます。日本の食文化である「和食」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されるほどです。自分たちの食文化について普段意識することは無いと思いますが、世界の食文化と比べて日本の食文化について見つめ直してみましょう。

「日本ではどうして箸を使うの?」

日本では食事をするときに箸を使います。お隣の中国や韓国では同様に箸を使っているものの、箸を使う人は世界の約28%にとどまっています。箸を使わないアメリカや他の国の人にとって、箸は非常に使いにくいものです。私たち日本人でさえも、時々使いにくいと感じることがあります。では、どうして日本では箸を使うのでしょうか。いつ、何がきっかけで使うようになったのでしょうか。

「日本にはどうして発酵食品が多いの?」

発酵食品とは、漬物や納豆などの食材を発酵させることによってできた食品のことです。他にも醬油や味噌、くさやなど日本には世界と比べても数多くの発酵食品が存在します。その特徴的なにおいから他の国の人から苦手とされることも多いです。どうしてそのような発酵食品が日本には多いのでしょうか。

「外国の人はどうして生ものが苦手なの?」

日本では刺身や卵かけごはんなど、生で食べる料理が多くあります。上でも説明したように、肉でさえ生で食べることがあるのです。これは世界でも珍しく、日本独自の食文化ということができます。では、どうして外国では生食が受け入れられないのでしょうか。どうして日本では生食文化が発展したのでしょうか。

3.「食器」に関する疑問

私たちは、食事をするときに必ず「食器」を利用します。茶碗や箸など、食器が無ければ食事をすることはできません。そんないつも利用している食器に対して疑問を持つことは無いでしょうか。どうしてこの食器を使うのか、どうしてこの名前なのかなど、その由来や歴史に着目しながら疑問を考えてみるのも面白いと思います。

「ごはんを盛るのにどうして茶碗なの?」

ごはんを盛り付ける器のことを、私たちは「茶碗」と呼んでいます。その名前には「茶」という文字が含まれているにもかかわらず、ほとんどの場合お茶ではなく、ごはんを盛り付けています。では、どうして茶碗という名前なのでしょうか。名前の由来について、調査してみましょう。

「茶碗は左、汁椀を右に置く理由は?」

日本では、ごはんが入った茶碗を左に、汁椀を右に置く置き方が基本とされています。普段意識することは少ないと思いますが、給食や家での食卓ではこのような置き方がされているのではないでしょうか。どうしてこの置き方がされるようになったのか、これに関しても日本の歴史となにか関連がありそうです。

「フォークの歯が3本、4本であるのはどうして?」

普段フォークの歯の本数について注目することは無いと思いますが、一度身近にあるフォークを見て欲しいと思います。そのほとんどが歯の本数が3本か4本のはずです。2本や5本でも良いように思えますが、どうしてこの本数なのでしょうか。

以上のように、身近なところに目を向けてみると様々な疑問が浮かび上がってくると思います。

あなたへの問い

あなたが身近な「食」について、調べてみたい・探究してみたいことはどんなことですか?

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・カテゴリ「食」

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・カテゴリ「農林水産業」

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