大学生として「地域」に参加する

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【探究 地域】大学生として「地域」に参加する

#食べることの楽しさ

#旅をする楽しさ

#歴史を知る楽しさ

                 

地域の人々と関わり合い、その地域について話し合ってその活動やまちをより良いものにしていくことの楽しさを知った大学生に、今取り組んでいることの楽しさを書いていただきました。

◆取り組みのきっかけ

そもそも地域の活動に興味を持ったのは、ゼミに入ったことがきっかけです。私の所属する地域資源マネジメント研究室では地域資源の活用を模索する自治体や企業の取り組みに参加し、実践をもとに、実現可能な提案を試みることを目的としています。

◆どんな取り組みをしているか

・地域住民とのワークショップ

ある自治体で「自分たちのまちづくりの原点を振り返る」というテーマで行われたワークショップに参加しました。実際に地域に入り、その地域で活動している民間団体の方々とその活動を動画として「見える化」するというものです。私は動画作成のサポートを主に行いましたが、その方々がその動画で何を伝えたいのか、どのように見せたいのかを住民の方々とコミュニケーションを取りながら知っていき、適したサポートを行うのは難しく、始めは距離感を図りかねていました。しかし、コミュニケーションの取り方を理解してより良い完成品ができたときは達成感と楽しさを一層感じることができました。この経験は、自分から動かないとできないものだと思います。

このように実際に地域に入って話し合いに参加することは、社会人になってからではなかなか経験できないこと、言ってしまえば学生の特権です。地域側も話し合いに学生が介入することで新しい視点を得られる、学生のやる気や元気からパワーをもらえるなど、様々な意義があります。住民が感じている地域の課題と行政が感じている地域の課題の食い違いも、学生の介入で開催される直接的な話し合いで解決することができるのではないでしょうか。

運営する側ではなくても、高校生のうちから地域のワークショップやボランティアに参加することはできます。もしも将来、まちづくりや地域のためになる仕事がしたい、地方自治体で公務員として働きたいと思っているひとや、そこまで明確に目標を持っていなくても地元のことが好きだと感じる人がいれば、一度高校生のうちに参加してみると将来が見えてくるかもしれません。

・インターンシップ

もう1つ、ゼミを通して世界が広がったことがあります。それは、インターンシップです。私は仙台の建設会社にインターンに行っています。きっかけは、その企業がゼミとの共同プロジェクトを行っていたことです。

そのプロジェクト自体にも、その企業が行っている他事業にも興味を持ち、長期のインターンに行かせて頂くことになりました。広報や人事、まちづくりプロジェクトなどの多岐にわたる種類の業務を行っている事業部でインターンをすることになりました。そこでは、プロジェクトのための先行研究や情報集めからメール整理やプロジェクトレポートの更新まで様々な業務をさせていただいています。それらは長期のインターンでしかできない経験だと思いますし、必ず今後の自分に役立つと感じています。インターンシップを通じて、自分が興味を持てること、やりたいと思えることをするのが成長への一番の近道であると考えるようになりました。

◆未来へ向けて・高校生へのメッセージ

私も、高校生のときは将来何をしたいか全く決まっていませんでした。しかし進路は考えないといけない。そんなふうに、高校時代は初めて大学を通して将来を考えた時期でした。とにかく当時は地元である宮城県から離れたくないからと、宮城での就職に強い大学に就職しようと考えていて、そこで宮城大学に興味を持ちました。調べてみると、宮城大学は「地域」と密着した活動や講義から学びを得られることがわかりました。

では私が地域でできることは何かと、そこで初めて考えました。高校生だったとき、私はメディアに興味があったので、地域に特化した情報を発信する地域密着型の雑誌を作りたいと思うようになりました。

現在は前述したような活動を行っています。それは、大学の講義を通じてやりたいことや興味があることが少し変わったからです。大学の講義では、高校では学ばないことをたくさん学ぶことができます。私が現在専門に学んでいるまちづくりや地域活性化の中でも、様々な手法や形があることを学びます。例えば「地域交流論」という講義では「地域内通貨」というものの仕組みと活用事例、問題点、利点などについて学びました。地域内通貨とは、特定の地域やコミュニティ内で、モノやサービスとの交換のために使用できる通貨です。この講義を受けるまでは地域内通貨の存在は知りませんでしたし、それによる地域経済への効果についても考えたことがありませんでした。

このように、知らないことや知らない世界がたくさんあるのは当たり前です。しかし、その世界を知ろうと思わなければ知ることは出来ません。将来の夢や就職先のことは、大学に入っても変わることがほとんどだと思います。今具体的に決まっていなくても、気になることを見つけてそれを具体的に形にするために大学へ通う選択もありではないでしょうか。

最後に、今何に興味があるのか、何でもいいのでとりあえず書き出してみてください。立派なことは考えなくてもいいので、自分がもっと知りたいと思っていることについてとりあえず調べてみることが大切です。大学で学ぶほどでもない、と思うかもしれませんが、それはやってみないと分からないことです。趣味のことについてでも、テレビでたまたま観たことについてでも、参考に誰かに聞いてみてもいい。そうやって調べてみて、新しいことを知ると、自分の世界が広がっていくと思います。(宮城大学 玉手杏実)

探究テーマを広げる問い

あなた自身が「地域」について興味を持っている点を3つ以上あげてみましょう。

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◆おすすめの本
「王とサーカス」(米澤穂信)
主人公はジャーナリスト。仕事の意義への考えや葛藤を自分に映して考えさせられる一冊